大学共同利用機関連携による新技術説明会
1
液体キセノンのタイムプロジェクションチェンバー(TPC)を用いた陽電子放出断層装置(PET)
10:30〜11:00
高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所
助教授 田内 利明
http://www.kek.jp/ja/index.html

技術概要
陽電子消滅によって生成されるガンマ線の液体キセノンでの反応位置はTPCにより1mm程度の分解能で3次元的に測定される。したがって視差の少ない鮮明な画像が得られる。均質で無分割の検出器のため大形化が容易である。

従来技術・競合技術との比較
従来技術はガンマ線の位置精度が数mm、特に、その進行方向(DOI)のものは結晶の長さ20〜30mmで制限され、視差による画質の劣化がある。画質改善のためより短い結晶を用いた多層のPETと競合するが、無分割の検出器で構造が大幅に単純である。
技術の特徴
高効率なガンマ線反応とその位置検出が同時に行える一様で無分割の液体キセノンの使用
高エネルギー物理学実験で開発された高精度3次元飛跡検出器であるTPCの応用
KEKで開発されたキセノンの純化システムと小型パルス管冷凍機を用いた液化システム
想定される用途
小動物用をはじめ、全身スキャン用の陽電子放出断層装置(PET)
コンプトンテレスコープによる単一光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)
ダークマター探索やニュートリノ放出のないダブルベータ崩壊実験用の検出器
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2
宇宙線ミュオンによる大型産業機器・建造物の内部探索
11:00〜11:30
高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所
名誉教授 永嶺 謙忠

技術概要
透過性の良い地表すれすれに飛来する高エネルギー宇宙線ミュオンと、新たに開発された多重分割型検出器を用いて、稼動中の大型産業機器や建造物の内部探索を行う。安定な長時間測定と巨大雑音除去を可能にする技術開発を行った。

従来技術・競合技術との比較
10cm以上の厚みを持つ鉄製の容器で囲まれた機器の内部の透過像を得る唯一の方法である。水平宇宙線ミュオンを用いることにより3次元トモグラフィー測定が可能であり、高速電子回路を用いることにより時系列的観測が出来る。多重散乱法を併用し元素選別が可能。
技術の特徴
稼動中の溶鉱炉・原子炉、ダムや建造物・高架道路などの鉄筋建造物を対象にできる。
対象物をそのままにして、すぐ測定を開始できる。
3次元透過像・周期的時間変化の観測が可能で、元素分析も可能である。
想定される用途
溶鉱炉・原子炉などの内部磨耗状態の診断と寿命予測
使用済み核燃料棒のウラン残量の推定とプルサーマル計画への貢献
火山・地殻の内部探査と自然災害予知への新しいデータベースの構築
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3
PLLの位相比較を利用した音波式ガス検出装置
11:30〜12:00
高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所
技師 近藤 良也

技術概要
音速は媒質によって固有の値をもつ。本装置は空気と被検出ガスとの音速の変化をPLLの位相変化で処理するため、距離÷時間の演算が不要である。構造がシンプルで、温度補償も原理上必要ない。

従来技術・競合技術との比較
本装置はセンサーを置いた直線上の部位のガス検出を行う。音波を受信できれば動作可能で反射音波を利用する事もできる。応答性が良好で瞬時にガスを検出できる。調整不要でメンテナンスフリーを実現。
技術の特徴
検出機構がPLLを構成しており、長期連続動作を安定して行える。
センサーが非磁性で振動・衝撃に対して優れ、長寿命でランニングコストを低減できる。
構造がシンプルで特殊・特注部品等を一切用いず全て汎用品で構成。
想定される用途
長期連続監視が必要なガス検出・警報装置(安全弁・破裂板等への付加)
振動・衝撃及び耐候性が要求される箇所のガス検出(自動車等)
水素ガススタンドや燃料電池等のガス漏洩警報等
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4
エキスパートでも見つけにくい微妙なスペクトル応答の差異を高精度に検出できる技術
13:20〜13:50
情報・システム研究機構 統計数理研究所
教授 樋口 知之
http://www.ism.ac.jp/~higuchi/
http://daweb.ism.ac.jp/

技術概要
正常時と異常時、特定条件とそれ以外といった状況において、その分野のエキスパートでないと識別できないような微妙にことなる応答を見分ける技術である。初めにコンピュータに例を学習させ、極めて精度良く識別できる。

従来技術・競合技術との比較
従来技術は、計測目的に合う特定周波数や、特定レベル変化等を検出していた。本発明は、応答波形を変換した正規化スペクトルを複数グループのどの特性に近いかを学習機械より判定させるところに特徴がある。
技術の特徴
特定の周波数ピークやレベルを見ているのではなく応答の全体波形を把握しているため、応用範囲が広い。
応答スペクトルを正規化する手段を加えているため、その形状のみを学習成果に反映させることができる。
当初学習サンプルが少なくても例を蓄積することにより判断制度が向上する。
可搬型の小型専用装置化することも可能。
想定される用途
分解できないガス圧調整器のゴム膜の劣化を音響応答で検出(実験検証済み
配管、レール、建造物等の微細なクラックやひび割れ等の検査、検出
安全装置への組み込み
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5
屋内で使える超音波精密ナビゲーション・システム
13:50〜14:20
情報・システム研究機構 国立情報学研究所
教授 橋爪 宏達

技術概要
屋内にあるモバイル端末の三次元位置を、超音波を使って、ミリメートル精度で計測する技術を開発した。
ノード間の精密距離測定と時刻同期方式の確立が鍵となる。マルチキャリアによる新超音波通信技術により、それを可能とする。

従来技術・競合技術との比較
GPS電波の届かない室内では、超音波による測距方式が有望である。しかし周波数の低い超音波では、従来方式では数10センチメートルの距離精度しか達成できなかった。この方式では精度を 100倍以上高めることができる。
技術の特徴
従来方式の精度を100倍高める超音波測距技術
安価な民生用超音波素子の使用
完全ディジタル処理による小型化で、モバイル端末に組み込み可能
想定される用途
来訪者のための屋内ナビゲーション、案内システム
美術館、博物館などの適応型ガイドシステム
ロケーションアウェアネスを応用したオフィスオートメーション、ホームオートメーションシステム
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6
アスベストの飛散がない迅速無害化処理システムの開発
14:20〜14:50
自然科学研究機構 核融合科学研究所
教授 佐藤 元泰
http://www.nifs.ac.jp/

技術概要
アスベスト含有廃材を大きな電子レンジにより、現場で迅速に無害化し、飛散物を一切持ち出さないシステム技術を開発する。小型装置による処理プロセスの最適化、車載型・移動式パイロットプラントの試作・試験、及び無害化確認試験から構成される。

従来技術・競合技術との比較
アスベストに関し、廃棄物処理法で特別管理産業廃棄物(廃石綿等)として、二重こん包等した上での埋立処分や溶融処理を求めている。本方式は、上記方法に較べ、以下の点で優れている
@ 有害廃棄物でなくなり、セメント原料として再利用できる。
A 埋め立てでは数十年から100年で流失が始まり飛散するようになる。本法は子孫に害を残さない。
B 小型可搬式にも出来るので、現場で処理できる。
技術の特徴
有害な2次生成物がなく、セメント原料として再利用できる。
完全な密閉式であるから、飛散が完全に押さえれれる。
処理速度が速く、処理温度が低いため、エネルギー消費量が1/3以下。
想定される用途
研究開発終了後、5年後の非飛散性アスベスト含有廃材の廃棄量は100万トン以上と予測されている。
マイクロ波処理の場合の処理コストは2〜3万円/トン。
マイクロ波炉によるアスベスト含有廃材処理の新しい市場の規模は20〜30億円/年。
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7
すべての核酸塩基と塩基対を形成する人工核酸塩基
15:00〜15:30
自然科学研究機構 計算科学研究センター
助手 片岡 正典
http://www.nips.ac.jp/~kataoka/

技術概要
相対する塩基が特定の塩基でなくともDNA二重鎖の形成を維持する核酸塩基、pyrimido[4,5-d]pyrimidine-2,4,5,7-(1H, 3H, 6H, 8H)-tetraone(PPT)を開発した。この人工の核酸塩基は分子内水素移動による迅速なケト-エノール互変異性化と、プリン型-ピリミジン型塩基構造の配座異性化により、相対する塩基を非特異的に認識し、自信の構造変化を伴ってすべての塩基と塩基対を形成する。

従来技術・競合技術との比較
3-ニトロピロールなどが相対する塩基の種類にかかわらず二重鎖構造の安定性を保つ人工塩基として知られるが、天然塩基と塩基対を形成せずにスペーサーとしてのみ働くことから、2つ以上の導入が困難など応用に制限がある。PPTは相対する塩基の種類にかかわらず、自身の構造変化によって天然塩基すべてと塩基対を形成することから、複数・連続導入が可能で、これまでに考えられなかった応用が強く期待される。
技術の特徴
相対する塩基に呼応し、構造変化を伴って塩基対を形成する非特異的塩基認識能
複数・連続導入、あるいはPPTのみで構成されるオリゴマーの利用が可能
これまでに類をみないユニバーサルな塩基として、競合のない新規な応用への展開
安価大量供給が可能
想定される用途
配列未特定遺伝子に対するプローブ
核酸成分用アフィニティ担体
キャップ構造をはじめとする修飾塩基に対する極小アプタマー
SNIPs解析
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8
高分子担持ナノ金属粒子触媒の創製と機能開発
15:30〜16:00
自然科学研究機構 分子科学研究所
教授 魚住 泰広

技術概要
不溶性高分子内に均一に分散したパラジウムあるいは白金のナノ粒子を創製した。ナノ金属粒子に特有の高い酸化還元活性に立脚する新規な反応が水中あるいは無溶媒で触媒的に進行し、また触媒は回収再利用可能である。

従来技術・競合技術との比較
従来にほとんど類例のないアルコールによるアルキル化や水中でのアルコール類の酸素酸化が触媒される。反応系中からの金属種の除去、触媒の回収再利用も容易であり、環境調和型プロセスの基礎となりえる。
技術の特徴
新反応(アルキル化、酸化)
環境調和
高安全性化学プロセス
想定される用途
化学変換プロセス
医薬品合成
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9
高熱負荷伝導冷却マグネット用アルミニウム合金被覆超伝導導体
16:00〜16:30
自然科学研究機構 核融合科学研究所
教授 三戸 利行
http://www.nifs.ac.jp/

技術概要
伝導冷却型の超伝導マグネットは、液体ヘリウム等の冷媒をユーザーが取り扱う必要がなく、ユーザーフレンドリーで信頼性の高い方式として幅広い分野への応用が期待されている。しかし、従来の伝導冷却型超伝導マグネットは、マグネット内の排熱性能に限界があるため、直流用途のみに限られていた。本技術は、超伝導導体にアルミニウム合金を被覆し、高強度と伝導冷却に必要な高熱伝導率を同時に達成する新技術である。

従来技術・競合技術との比較
超伝導導体にアルミニウムを被覆する従来技術としては、温度を上げたアルミニウムと超伝導導体を一体で押し出し成型する方法がとられる。この方法は、NbTi合金の超伝導導体には適用可能だが、機械的熱的な歪みに弱いNb3Sn等の金属間化合物やセラミックである高温超伝導体に適用できない。本技術では、臨界温度の高い上記の超伝導線やテープ線材にも適用可能なアルミニウム合金被覆超伝導導体の新製法を開発した。
技術の特徴
高磁場・高熱負荷の伝導冷却マグネットに適用可能な超伝導導体の製造方法として開発
Nb3Sn等の低温超伝導と高温超伝導の両方のマグネットに適用可能な超伝導応用の基盤技術
ユーザーフレンドリーな超伝導マグネットを開発可能であり、広範囲の応用が期待できる。
想定される用途
核融合炉用等の高磁場・高熱負荷の大型超伝導マグネット
科学技術用途、医療用途、輸送用途、生産設備、電力用途など様々な分野での超伝導マグネット応用
超伝導マグネットのコスト低減及び取り扱いの簡便化による広範囲な新規用途の開発が可能
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質問・相談コーナー
新技術説明会では、各新技術の説明後に質疑応答の時間を設けていません。ご質問・ご相談については各説明個別の<質問・相談コーナー>を別室として用意していますのでこちらでお願いします。<質問・相談コーナー>は当日随時受け付けていますので、是非ご活用ください!
展示
大学共同利用機関の各機関の特徴・ご利用案内や産学連携・技術移転に関する取り組み、当日発表以外のシーズを資料などで紹介します。
科学技術振興機構では、J−STORE、JDreamUなど、各種データベースのデモや、大学の技術シーズが一括して検索できる e-seeds.jp <技術シーズ統合検索システム>のデモを行いますので是非お立ち寄りください。

技術内容・ライセンスについて
自然科学研究機構
事務局企画連携課
tel:03-5425-2038
fax:03-5425-2049
mail nins-kenkyo@nins.jp
 
高エネルギー加速器研究機構
総務部 研究協力課 研究資金・知財係
tel:029-864-5125
fax:029-864-4602
mail kenkyo2@mail.kek.jp
 
情報・システム研究機構
知的財産本部
tel:03-4212-2125
fax:03-4212-2187
mail chizai_web@nii.ac.jp