
相対する塩基が特定の塩基でなくともDNA二重鎖の形成を維持する核酸塩基、pyrimido[4,5-d]pyrimidine-2,4,5,7-(1H, 3H, 6H, 8H)-tetraone(PPT)を開発した。この人工の核酸塩基は分子内水素移動による迅速なケト-エノール互変異性化と、プリン型-ピリミジン型塩基構造の配座異性化により、相対する塩基を非特異的に認識し、自信の構造変化を伴ってすべての塩基と塩基対を形成する。

3-ニトロピロールなどが相対する塩基の種類にかかわらず二重鎖構造の安定性を保つ人工塩基として知られるが、天然塩基と塩基対を形成せずにスペーサーとしてのみ働くことから、2つ以上の導入が困難など応用に制限がある。PPTは相対する塩基の種類にかかわらず、自身の構造変化によって天然塩基すべてと塩基対を形成することから、複数・連続導入が可能で、これまでに考えられなかった応用が強く期待される。