京都大学 新技術説明会
 
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土木・建築
レーザ距離計を用いた土木構造物の動的変位計測法
10:10〜10:40
大学院工学研究科 都市環境工学専攻
助教   大島 義信 
http://csd.kuciv.kyoto-u.ac.jp/res/disp.html
技術概要
レーザ距離計と三角形の階段状ターゲットを用いて橋梁などの土木構造物の動的変位を計測する技術.計測対象にターゲットを設置し,水平位置からその相対距離を計測することで,鉛直方向などの変位を計測する. 
従来技術・競合技術との比較
レーザを用いた測定はレーザ照射方向の変位しか計れなかった.また従来技術では,原理的に水平位置から鉛直方向を計測することができない.カメラを使う技術では精度に問題があった. 
技術の特徴
・水平方向から30m程度先の対象物の鉛直変位を0.5mm程度の精度で動的に計測できる. 
・複数台の組み合わせで,一方向から三次元の変位を計測することができる. 
・計測位置にかかわらず構造物の動的変位を計測することができる 
想定される用途
・鉄道などの橋梁の動的なたわみ計測 
・工事現場での管理施工 
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2
土木・建築
地震動に依存しない免震効果を持つ上下動免震装置
10:40〜11:10
大学院工学研究科 建築学専攻 
准教授    荒木 慶一 
http://www.archi.kyoto-u.ac.jp/~se-lab/
技術概要
一定荷重支持機構(変位の大きさによらず一定荷重を支持する機構)の組み合わせにより対象物を支持することで,対象物に作用する地震力を指定値以下に低減できる低コスト・省スペースな上下動免震装置。
従来技術・競合技術との比較
極めて大きな上下地震動に対して,従来にない免震効果(入力1G→応答0.2G)が得られる事を実験で確認済である。また,パッシブ機構の利用により低コスト・省スペース・メンテナンス不要という特徴を実現した。
技術の特徴
・地震動に依存しない免震効果
・メンテナンス不要
・低コスト・省スペース
想定される用途
・直下地震からの精密機器や文化財の保護
・通常の水平免震との併用による三次元免震
・その他上下振動の免振
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情報
変遷する会話文脈に応じた関連情報を勝手に検索するシステム
11:10〜11:40
大学院情報学研究科 知能情報学専攻 
博士後期課程学生・学振特別研究員(DC2)    白松 俊 
http://winnie.kuis.kyoto-u.ac.jp/~siramatu/
技術概要
会話参加者の注目対象は,文ごとに変化する.本技術では,各単語に対するその瞬間のユーザ達の注目度(顕現性)を表す尺度として,「参照確率」という尺度を開発した.この尺度を用いることで,その瞬間の文脈(話題)の流れに沿った情報の検索・提示を可能にした.
従来技術・競合技術との比較
従来技術では,文書全体での単語の頻度(TF・IDFなど)によって単語の重要度を扱っていた.しかし,これでは文ごとに細かく変化する単語の重要度を推定することはできない.この問題を解決するため,本技術では「参照確率」という尺度に基づく検索手法を開発した.
技術の特徴
・その瞬間,その単語にユーザがどの程度注目しているか(顕現性)を「参照確率」で定量的に推定
・ユーザの注目対象の変遷を,文ごとに変化する「顕現性ベクトル」で追跡
・その瞬間の会話文脈(話題)に関連する情報を逐次検索・更新
想定される用途
・会話やチャットの文脈の流れと連動した広告や関連情報を提示する会話支援サービス
・会議中に,その瞬間の話題と関連する過去の議事録を提示する会議支援サービス
・文章の流れに応じた関連情報を提示する文章執筆支援サービス
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医療機器
新しい、簡便かつ合理的な、鼓室換気チューブ挿入具
11:40〜12:10
大学院医学研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 
大学院生    梅田 裕生 

技術概要
滲出性中耳炎の治療に行う、鼓室換気チューブ留置術を簡便に行える、新しいタイプの挿入器具を発明した。 1回の動作で、鼓膜切開、内溶液吸引、チューブ留置をすべて行うことが可能となる新ディバイスである。
従来技術・競合技術との比較
従来法では、@鼓膜切開、A内溶液吸引、Bチューブの留置という、3ステップを要するが、今回の発明器具では、1ステップのみで完結することが可能となる全く新しい器具である。しかし、操作自体は鼓室穿刺という従来手技を踏襲したもので、馴染みある操作である。
技術の特徴
・1回の動作で、@鼓膜切開、A内溶液吸引、Bチューブの留置の操作を完了してしまう器具である。
・注射針を応用したもので、ディスポーザブル化が可能(医療機器として清潔であるメリットがある)。
・製造、開発コストが比較的軽微であると予想される。
想定される用途
・滲出性中耳炎の治療で行う、鼓室換気チューブ留置術が簡便に行える。
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5
医薬
カンナビノイドによる難治性皮膚疾患(ダリエー病、尋常性乾癬)への新規治療薬の開発
13:30〜14:00
大学院医学研究科 皮膚科学講座 
講師    高橋 健造 
http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~skin/
技術概要
脂溶性薬剤ライブラリーのスクリーニングにより、カンナビノイド作動薬がダリエー病の原因遺伝子である小胞体カルシウムポンプ(SERCA2)の発現を亢進し、皮膚症状を劇的に改善することを発見した。またこのカンナビノイド作動薬は、表皮へ浸潤するリンパ球や表皮角化細胞のサイトカインの発現パターンを改善し、Th1型の炎症反応を矯正し、乾癬に対する新規の外用治療薬となることを発見した。
従来技術・競合技術との比較
ダリエー病は思春期に突然発症し顔面など脂漏部位に醜形を伴う難治性の角化症で、現在根本的な治療法がない。また乾癬は自己のリンパ球が表皮角化細胞に対し免疫反応を惹起する炎症性角化症で、欧米では人口の約5%に発症し本邦でも急増している。表皮角化細胞に直接作用し異常角化を抑制しつつサイトカインの発現バランスを改善するこの治療薬は、これら難治性角化症の外用薬として臨床応用が待たれる。
技術の特徴
・ダリエー病の原因遺伝子であるSERCA2の発現を亢進し、その病態を改善する。
・表皮角化細胞内のカルシウム濃度を低下させ、異常角化を抑制する。
・表皮へ浸潤するリンパ球や表皮角化細胞自身のサイトカインの発現パターンを変更させる。
想定される用途
・遺伝性難治性角化症であるダリエー病の内服・外用治療薬および予防薬
・炎症性角化症である尋常性乾癬への内服・外用治療薬
・ヘイリーヘイリー病を含めその他の角化症の治療薬
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6
生物
人工DNA結合タンパク質を用いた、新しい抗ウイルス・アプローチ
14:00〜14:30
大学院工学研究科 合成・生物化学専攻 
准教授    世良 貴史 

技術概要
DNAウイルス複製は、ウイルス複製タンパク質がウイルス複製起点に結合することにより開始される。そこで、我々が開発した人工DNA結合タンパク質を用いて、ウイルス複製タンパク質の複製起点への結合を阻害することにより、ウイルス複製を阻害し、ウイルス感染を防ぐ。
従来技術・競合技術との比較
従来の抗ウイルス・アプローチは、ポリメラーゼ等ウイルス酵素の活性を核酸誘導体で阻害するので、ウイルスの変異による、耐性ウイルスの出現が問題となっている。我々のアプローチでは、複製をターゲットにしているので、耐性ウイルス出現の確率が極めて低いと考えられる(詳細は当日説明)。
技術の特徴
・人工DNA結合タンパク質のデザインが容易
・人工DNA結合タンパク質の高い親和性・選択性
・耐性ウイルス出現の可能性が極めて低い
想定される用途
・ウイルス感染の防御
・抗ウイルス剤
・ウイルス感染耐性動物の創出
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7
化学
環境調和型ルテニウム錯体触媒を用いるエナミドおよびジエナミド類の新合成法
14:30〜15:00
大学院工学研究科 物質エネルギー化学専攻 
科学技術振興教授    近藤 輝幸 
http://www.ehcc.kyoto-u.ac.jp/home-j.htm
技術概要
本技術は、異なる2種類あるいは3種類のアルケンの反応性を見分けて、それらを選択的に結びつける新触媒の開発に関するものである。具体的には、我々が世界で初めて合成した0価 Ru(h6-cot)(h2-dmfm)2 錯体が、異種アルケンおよびアルキンの共オリゴメリゼーションに特異的に高い触媒活性を示し、有機合成中間体として重要なエナミド類およびジエナミド類が高収率で得られることを明らかにした。
従来技術・競合技術との比較
エナミド類の合成法としては、これまでアミドのアルキンへの付加反応やアミドとハロゲン化物とのクロスカップリング反応等が知られていた。しかしながら、前者は高価なアルキンを原料とすること、また後者は反応終了後に生成物と等モルの塩が副生するという欠点を有していた。今回の技術は、原料として安価なアルケンを用い、かつ副生成物を一切排出しない環境調和型新規エナミド合成法である。
技術の特徴
・廃棄物を出さず原子効率100%で進行する有機合成反応
・エナミドおよびジエナミド類の環境調和型新合成法
・異なる2種類あるいは3種類のアルケンの位置および立体選択的共オリゴメリゼーション
想定される用途
・ABC−ABC−ABC型で繋がった新しいポリマーの一段合成
・両親媒性ポリマーの合成
・ロバタミド等の抗がん剤(側鎖部分)合成への応用
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8
ナノ・材料
動的斜め蒸着による高感度表面増強ラマン分光基板
15:00〜15:30
大学院工学研究科 マイクロエンジニアリング専攻 
准教授    鈴木 基史 
http://www.me.kyoto-u.ac.jp/micro/laboratory/meso/meso.htm
技術概要
動的斜め蒸着法というユニークな手法によって,近赤外領域において高感度で高い安定性と再現性を有する実用的な表面増強ラマン分光(SERS)用基板を開発した.ラマン分光の汎用増感材の他,バイオ・化学センサとしての応用を目指す.
従来技術・競合技術との比較
微細加工技術で製造した市販品に比べ,ラマン分光感度は1倍以上高く,コストは数10分の1程度.製造に薬品を一切使わないクリーンなプロセスであるため長期間の保管による劣化が少ない.
技術の特徴
・孤立したナノロッドが高密度に列をなして分布する.
・ナノロッドの製造過程で化学薬品を一切用いないクリーンなプロセス.
・樹脂を含めた様々な基板上にナノロッドを形成可能である.
想定される用途
・既存のラマン分光装置の測定感度を飛躍的に向上させる汎用の増感材
・数μm以上の高い空間分解能での細胞や粉末状化学物質のラマンイメージング
・細菌,ウィルス,がん細胞などの検査,検出
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9
ナノ・材料
光ピンセット装置:1ビームによる3D操作
15:40〜16:10
大学院理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 
研究員    久保 康児 
http://www.chem.scphys.kyoto-u.ac.jp
技術概要
2本のレーザー光を使った、ナノ・マイクロスケールでのハンドリングと同様の操作を、1本のレーザーで実現するとともに、さらにそれを超えた3D操作をも実現した。これによって、操作性が飛躍的に拡がることが期待される。
従来技術・競合技術との比較
平面上でのレーザースキャンによる多点トラップや、回転運動は実現されているが、自由な角度で物体の向きを変えることは非常に困難であった。本技術によりブレイクスルーに成功した。
技術の特徴
・マイクロスケールに於ける自由なハンドリング
・3D操作
・1軸レーザー
想定される用途
・細胞及び生体分子の操作
・ナノ・マイクロ構造体の操作
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10
ナノ・材料
磁場を利用したアレイ状微細可動構造
16:10〜16:40
大学院工学研究科 マイクロエンジニアリング専攻 
講師     津守不二夫 
http://www.me.kyoto-u.ac.jp/lab/ksys/index.html
技術概要
外部磁場によるマイクロ可動構造は,発生する力が小型化と共に急激に小さくなるという問題が指摘されていた.本研究では磁性体微小要素の相互作用を効果的に利用することにより,サイズに依存しない可動システムを作製することに成功した.
従来技術・競合技術との比較
従来,磁場による駆動では小型化が原理的に困難とされていた.発生する力がスケールと共に急激に減少するからである.本研究ではこの問題を解決できるシンプルな形状で利用できる可動構造を設計・開発した.
技術の特徴
・理論的にはナノレベルまで小型化可能
・シンプルな構造で作製が容易
・多彩な変形パターンが設計可能
想定される用途
・DNAチップや細胞培養基板
・微細流路用ミキサーやマイクロポンプ
・動的に変化可能な光学素子
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11
ナノ・材料
高い可視光応答型光触媒活性を示すチタニア系光触媒材料
16:40〜17:10
大学院工学研究科 物質エネルギー化学専攻 
助教    岩本 伸司 
http://www.ehcc.kyoto-u.ac.jp/eh41/home/
技術概要
ソルボサーマル法で合成したシリカ修飾チタニアナノ結晶に窒化処理を行うことで、500 nmまでの可視光域に吸収を持つSi−N共ドープチタニアが得られ、これにさらにFeを担持した触媒は可視光照射条件でも高い光触媒活性を示す。
従来技術・競合技術との比較
窒素ドープしたチタニアが可視光応答性を示すことが知られていたが、Siと窒素を合わせてドープすることで窒素を高濃度、安定にドープすることができ、可視光応答性が向上した。また、Feを助触媒として添加することで、正孔−電子の再結合を抑制することができ、活性が著しく向上した。
技術の特徴
・可視光照射条件でも高い光触媒活性を有する光触媒材料の作製
・Siとの共ドープによるNの安定なチタニアへのドーピングおよびFeの助触媒効果
・低コストで安全、環境や人体に無害な材料組成
想定される用途
・建物外壁、ガラス等の防汚・セルフクリーニング
・室内壁や日用品の抗菌・防カビ効果
・空気浄化・水浄化
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ナノ・材料
発光強度の高い青色励起赤色蛍光体
17:10〜17:40
産官学連携センター 
教授    酒井 明 

技術概要
今回開発した蛍光体はEu添加タンタル酸化物を主体としたもので,赤色(610nm付近)に強い発光ピークを示す.この蛍光体は安定で製造が容易であり,また青色・緑色でも高強度で発光することが大きな特長となっている.
従来技術・競合技術との比較
代表的な赤色蛍光体であるEu添加イットリアと比較すると,今回の蛍光体は紫外励起の発光ピーク強度が約10倍に達している.励起は緑色でも可能であり,また他の青色励起赤色蛍光体よりも簡単な方法で作製することができる.
技術の特徴
・高い発光効率:発光効率は紫外光で発光させた場合,Y2O3_Euの約10倍である.
・可視光励起が可能:青色・緑色LEDでも光らせることが可能である.
・高い安定性:安定で製造が容易.
想定される用途
・ディスプクレイ
・その他,蛍光体を利用した各種発光機器
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連携・ライセンスについて
京都大学 産官学連携センター 知的財産室
tel : 075-383-3023   fax : 075-383-3044   mail ip-office@iio.kyoto-u.ac.jp