次世代自動車用蓄電技術として、リチウムイオン二次電池のさらなる高性能化と低コスト化が要求されている。本研究では、Li+イオン拡散距離の短縮と反応表面積の増加を目的として、安価な高分子溶液を反応媒体とする液相析出法を用いて単分散酸化スズ(SnO2)ナノ粒子を合成し、バインダーとして水溶性高分子を用いたシンプルな電極作製プロセスを開発した。
SnO2の理論容量(783 mAh g-1)は、従来のリチウムイオン二次電池用負極材料である黒鉛の約2倍を有するので、代替材料として注目されてきた。しかし、粒子サイズがミクロンオーダーのSnO2粒子ではサイクル特性に問題を有し、実用化には至っていない。一方、従来のバインダーのポリフッ化ビニリデンの分散剤は有機溶媒であるが、水溶性バインダーは分散剤として水を使用できるので、安価で低環境負荷の電極作製プロセスを開発できる。