東京農工大学 新技術説明会 2011年6月17日(金)
会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)
 
1

アグリ・バイオ
植物工場におけるブルーベリー果実の収穫期間の拡大
Extention of harvesting time of blueberry grown under plant factory
10:50〜11:20
東京農工大学 大学院農学研究院 生物生産科学部門 教授 荻原 勲
http://www.tuat.ac.jp/~engei/
新技術の概要
ブルーベリーの休眠の浅い品種を用いて、新梢(枝)の先端部に形成した花芽を高温処理により10月から開花させ、その後の高温・長日の環境で冬期(12月)からの早出しを可能とする。その後は果実の着果量や環境を制御することで、果実を収穫しながら、連続的に開花・結実を行わせ、果実の収穫期間を飛躍的に延長させる技術である。
従来技術・競合技術との比較
ブルーベリーは品種の違いを利用して6月中旬から9月上旬まで出荷されるが、1品種でみると収穫期間はほぼ3週間である。本技術により、1品種でオフシーズンの12月から翌年の6月までの連続出荷が可能となる。
新技術の特徴
・7月に形成した花芽を9月の高温処理で10月に開花・結実させて収穫開始期を早める技術
・新梢の先端部から基部に向かって、開花・結実させることによる収穫期間の延長を可能とする技術
・果実を発育させながら、さらに新たに伸びた新梢の先端に開花・結実させて長期の収穫を可能とする技術
想定される用途
・オフシーズンの出荷
・周年出荷
・国産品増産による自給率の向上

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2

接合技術
鉄系超伝導体を用いた超伝導デバイスの開発
Development of superconducting devices using newly discovered iron-based superconductors.
11:20〜11:50
東京農工大学 大学院工学研究院 先端物理工学部門 助教 上田 真也
http://www.tuat.ac.jp/~naitolab/
新技術の概要
2008年に発見された新しい鉄系高温超伝導体の薄膜成長に世界に先駆けて成功し、現在デバイス化に向けたプロセス開発を行っている。最初の応用として、非破壊測定や生体磁気計測に不可欠な高温動作のSQUIDを目指している。
従来技術・競合技術との比較
本技術の特色は、蒸着レート制御MBE装置による薄膜成長技術である。原子吸光分光、発光分光を原理とした蒸着レート制御装置の導入により、従来は蒸着法による薄膜成長が不可能だった多元化合物の高品質薄膜成長を可能とした。
新技術の特徴
・太陽電池材料 Cu(InGa)Se2等などの、様々な多元機能材料の薄膜素子の成膜
・スピントロニクス素子などの、超伝導体と半導体との複合化デバイスの開発
・超伝導テラヘルツ発振(X線に代わる低エネルギー光源、大容量通信)
想定される用途
・超伝導薄膜利用:フィルタ(携帯電話基地局での利用など)、超伝導マイクロ波線路、ボロメータ(X線検出など)、磁気シールド、超伝導アンテナ、超伝導共振器等
・超伝導接合利用:SQUID(心磁計、脳磁系、非破壊検査)、電磁波検出器(オゾン計測、星間分子検出)、標準電圧発生装置、SFQ回路(各種デジタル応用、高速計測応用)
関連情報
・サンプルの提供可能

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3

デバイス・装置
テレビ画面の中から風や香りが漂ってくる感覚を再現する装置
Device for Presenting Airflow and Smell As If Coming from TV Screen
11:50〜12:20
東京農工大学 大学院工学研究院 先端機械システム部門 准教授 石田 寛
http://www.tuat.ac.jp/~h-ishida
新技術の概要
風の流れを制御し、仮想的な匂い源や風源を提示する装置を開発した。本装置を用いれば、液晶モニタに映った桃から香りが出てくるような感覚や、ポスターに描いた扇風機から風が出てくるような感覚をユーザに与えることができる。
従来技術・競合技術との比較
ファンで風を起こし、その風に香りを乗せて運ぶだけでは、どこから風や香りが出ているか、ユーザはすぐに気づいてしまう。本技術を使えば、実際には何もないところに仮想的な匂い源や風源を作り出すことができる。
新技術の特徴
・風を衝突させてその向きを変え、ユーザに提示する
・液晶モニタやポスターから風や香りが漂ってくる様子を再現可能
・風源や匂い源の位置はコンピュータ制御で左右に移動できる
想定される用途
・風や香りの出る電子広告
・映画やゲームの特殊効果
・アート作品や博物館の展示

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4

手書き文字認識
ロバストなオンライン枠なし日本語文字列認識モデル
A Robust Model for On-line Handwritten Japanese Text Recognition
13:30〜14:00
東京農工大学 大学院工学研究院 先端情報科学部門 助教 朱 碧蘭
新技術の概要
本技術はロバストなオンライン枠なし日本語文字列認識モデルを述べる。我々は仮切出しポイントから構築した認識候補ラティスの中で、仮切出しユニットとその間の連結に関する確からしさを評価することで、認識を行う。
従来技術・競合技術との比較
本技術は従来のモデルにおける過分割と過結合などの問題を解決でき、文字列の文字候補パタンの数に影響されない利点を持っており、従来の方法より認識率の向上を実現した。
新技術の特徴
・ペン入力携帯端末、i-phone, i-patなど
・手書きワープロ
・船名認識
想定される用途
・電子ペン入力システム
・ドキュメント処理システム
・教育システム

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5

デバイス・装置
超音波を用いたマイクロ工具刃先位置非接触測定器
Non Contact Measurement System of Tip Position of Micro-tool by Using Ultrasonic Technique
14:00〜14:30
東京農工大学 大学院工学研究院 先端機械システム部門 助教 堀 三計
新技術の概要
マイクロ工具と工作物上面との間の距離を、超音波を利用して非接触で測定する技術。
切削油などの油剤を超音波伝播媒体として利用するため、工具刃先に油滴が付着しているような汚れた状態で測定できる。
従来技術・競合技術との比較
従来、接触式測定法と光学式非接触測定法が実用化されている。接触式は工具刃先を傷める。光学式は刃先に付着した油滴を除去する必要がある。本方法は非接触式で、油滴が付着しているような汚れた環境でも測定できる。
新技術の特徴
・液体を介して位置や距離を測定
・加工液などで汚れた環境で測定可能
・センサ部分は小型化が可能
想定される用途
・マイクロ工具−工作物間の距離測定
・切断用ブレードの位置測定
・切断砥石の摩耗量検出

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6

アグリ・バイオ
イネいもち病菌を弱毒化するマイコウイルスの解析と応用
NOVEL MYCOVIRUS, ATTENUATED STRAIN OF PHYTOPATHOGENIC FUNGUS, Magnaporthe oryzae
14:30〜15:00
東京農工大学 大学院農学研究院 生物制御科学部門 講師 森山 裕充
新技術の概要
イネいもち病菌を弱毒化する新規マイコウイルスの遺伝子構造や構成タンパク質の解析とその利用方法を開発し、環境低付加型生物防除資材として製品化を試み、新たなエコイノベーション型の植物バイオマス生産システムツールの開発を目指す。
従来技術・競合技術との比較
イネいもち病菌を弱毒化するマイコウイルスの報告例はなく、また当該マイコウイルスが水平感染能力を有する新知見やその利用方法なども見出しており、この性質は新たな防除法の開発をもたらすので優位性も高い。
新技術の特徴
・イネいもち病菌に生育阻害をもたらすマイコウイルス(菌類ウイルス)を新たな生物防除資材として利用する
・菌類ウイルスとしては初めての知見となる水平感染能力を利用した新たな植物病原菌の防除方法
・パン酵母をウイルスタンパク質生産ツールとして利用する
想定される用途
・イネいもち病菌に生育阻害をもたらすマイコウイルス(菌類ウイルス)を新たな生物防除資材として利用する
関連情報
・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

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7

アグリ・バイオ
天然物素材を包含した汎用性樹脂の開発 〜ゼラチンの新たな利用法〜
Development of versatile resins with natural materials toward broadening the use of gelatin
15:10〜15:40
東京農工大学 農学部附属硬蛋白質利用研究施設 准教授 野村 義宏
http://www.collagen-institute.jp/index.html
新技術の概要
水溶性であるゼラチンを包含し、耐久性の高い樹脂組成物及びその成型品を提供する。
本技術は、ペプチド結合を有する高分子化合物とポリウレタン樹脂による 新しいタイプの樹脂の製造方法及びその特徴に関するものである。
従来技術・競合技術との比較
水性ポリウレタンと加水分解コラーゲンとの混合フィルムは、水に浸けると膨潤し崩壊する。
本技術により、水中で膨潤状態を保ちながらフィルム形状を維持させることに成功した。
新技術の特徴
・保水性シート
・遅効性肥料用生分解性シート
・細胞培養用シート基材
想定される用途
・農業用シート
・化粧品用シート
・救急絆創膏
関連情報
・サンプルの提供可能

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8

医療・福祉
間葉系幹細胞シートを用いた角膜損傷治療への応用
Mesenchymal stem cell sheets for treatment of corneal injury.
15:40〜16:10
東京農工大学 大学院農学研究院 動物生命科学部門 准教授 田中 あかね
http://www.tuat.ac.jp/~mol_path/laboratory.html
新技術の概要
伴侶動物の角膜傷害に対する治療応用を目指して、脂肪組織から分離した間葉系幹細胞から細胞シートを温度感受性培養にて作成、イヌの角膜傷害に適用したところ、有効な治療成績を得た。
従来技術・競合技術との比較
細胞シートのこれまでの角膜傷害への治療応用では、上皮細胞源として口腔粘膜を使用しているが、微生物の混入やドナーへの損傷によるリスクが高かった。脂肪組織由来間様系幹細胞の利用により、得られる細胞数や利便性が格段に向上した。
新技術の特徴
・神経疾患への応用
・火傷などによる広範な皮膚損傷への応用
・美容的な応用(傷やほくろの修復など)
想定される用途
・伴侶動物の角膜傷害治療
・人の角膜傷害治療
・競走馬の角膜傷害治療

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計測
触診を模擬した柔らかさの計測システムの展開
Development of Softness Measurement System imitating Palpation
16:10〜16:40
東京農工大学 大学院工学研究院 先端機械システム部門 准教授 佐久間 淳
http://www.tuat.ac.jp/~asakuma/
新技術の概要
初期診断の1つである触診の熟練技術から、これを基に試料へ球圧子を押し込んだ際の反力と変位量との関係より高精度に変形特性を同定する技術を開発した。ここでは、この技術を基にして現在取り組んでいる計測システムの開発の経過について紹介する。
従来技術・競合技術との比較
Hertzの弾性接触理論による生体組織硬度計や共振を利用する触覚センサーは、数値が試料の厚さで変化するため客観的指標としての利用が困難である。厚さに依らない吸引や押しつけの回復から計測するものも独自の指標を用いるため産業的・医療的には普及していない。
新技術の特徴
・低侵襲性を活かした柔らかい樹脂やゴム製の工業品の全数検査
・客観的な計測評価が困難とされてきた食品の品質管理・製品開発
・紙や樹脂シートなど、変形特性の試験が難しい薄い試料の検査
想定される用途
・触診のシステム化実現による初期診断の精度向上・誤診低減
・遠隔地診断の向上、また手術ロボットへの実装を目指した遠隔診断への応用
・微小な検体の力学特性の計測による検査診断技術の開発
関連情報
・試料の計測は随時可能
・外国出願特許あり

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<連携・ライセンスについて>
東京農工大学 産官学連携・知的財産センター
TEL:042-388-7175  FAX:042-388-7173
mailzimcrc@cc.tuat.ac.jp