主催者挨拶(科学技術振興機構、金沢大学)
13:00〜13:30

1
13:30〜14:00
相変化型不揮発性メモリ

金沢大学医学部保健学科 助手
中山 和也
http://gaas.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/~naka/
 ■技術の概要

 結晶-非晶質相変化を利用した不揮発性メモリ(電気を消しても消えないメモリ)に関する研究を行っています。当日は、基本的原理と、金沢大学で行った相変化材料の開発、多値化などについて発表を行う予定です。

 ■技術の特徴
電気を消しても内容が消えません。
構造が単純です。
大きな抵抗率変化を示します。
 ■想定される用途
携帯電話などのメモリ
ICタグなどのメモリ
Soc用のメモリ
 ■従来技術との比較
 現在主流のフラッシュメモリより高速で書き込み消去回数も多い。次世代不揮発性メモリ候補の1つであり、他候補と比較すると、構造が単純、微細化に向いている、抵抗変化が大きい、多値化しやすいなどの長所を有する。


2
14:10〜14:40
凝縮を利用した高性能UV光触媒ガスクリーン装置

金沢大学大学院自然科学研究科システム創成科学専攻 教授
瀧本 昭
http://www.hm.t.kanazawa-u.ac.jp/netsu/
 ■技術の概要

 特定条件下に保たれた光触媒面にUV光を照射して、ガス状汚染物質を高効率で除去、脱臭する新方式のWET型空気清浄装置は、簡単な機器構成で特定条件が実現でき、装置のコンパクト化及び高性能化を図ることができる。

 ■技術の特徴
 光触媒面を冷却し気体中の水分を凝縮させることにより、光触媒反応のもつ二つの特性である酸化分解力と親和力を相乗効果として活用している点。
 ■想定される用途
 IT、バイオ及びナノテクなど超最先端技術における超清浄環境の維持確保、医療・介護施設等の環境空調、畜産・工場・飲食店の臭気汚染、タバコ・ホルムアルデヒドなど住環境対策等、多分野多方面へ応用可能。
 ■従来技術との比較
 従来の乾式UV光触媒ガスクリーン法は、性能向上のため酸化チタンをフィルター繊維に塗布するなど分解面積の増加対策をとっている。本方式では、光触媒の酸化分解力だけでなく親水性の機能を活用した湿式法とすることにより、従来法に比して数倍以上の脱臭性能の向上のみならず光触媒面に分解成分が堆積しないためメンテナンスフリーの特性を兼ね備える。


3
14:50〜15:20
白色発光を示すポリフルオレン誘導体の創製

金沢大学大学院自然科学研究科物質工学専攻 助手
小西 玄一
http://www.t.kanazawa-u.ac.jp
 ■技術の概要

 従来とは異なり,複数のフルオレン系化合物を混合・調整することなく単独で白色または白色に近い発光領域において強い発光性を示すポリフルオレン誘導体を提供する。蛍光発光材料,EL素子,高分子LED等に極めて有用である。

 ■技術の特徴
1種類の高分子で白色に近い発光を示す。
フィルム形成能を有し,加工性に優れている。
 ■想定される用途
蛍光発光材料
有機EL材料
モニターのバックライト
 ■従来技術との比較
 単一ポリマーで白色発光を実現できるため,加工性が飛躍的に向上すると考えられる。また自然光に近い発光が得られる。さらに主鎖骨格が炭素と水素のみで構成されており不飽和結合も存在しないため空気中でも安定に使用することが可能である。


4
15:30〜16:00
尿でわかる多環芳香族炭化水素類の個人曝露測定法

金沢大学大学院自然科学研究科環境科学専攻 教授
早川 和一
http://www.p.kanazawa-u.ac.jp/~eisei/index.html
 ■技術の概要

 発癌性や環境ホルモン作用を持つ多環芳香族炭化水素(polycyclic aromatic hydrocarbon: PAH)類が,自動車排気ガスやタバコ煙,食品などから各自にどれだけ曝露されているかを,それらの代謝物を指標(バイオマーカー)として尿から測定できる.

 ■技術の特徴
測定対象:10種類以上のPAHの代謝物
使用装置:高速液体クロマトグラフ(HPLC)
必要尿量:10 ml
測定時間:約4時間
(測定対象の拡大,必要尿量と測定時間の削減可能)
 ■想定される用途
各種PAHのバイオマーカーとしての評価
疾病(癌,内分泌攪乱,化学物質過敏症など)の個人リスク評価
屋外大気,室内空気,食品などの汚染レベル評価
空気浄化装置,タバコフィルターなどの環境浄化装置・器具の効果評価
 ■従来技術との比較
 従来法は,PAHがヒトの体内に入る前の空気や食品などを分析するので,PAHの汚染レベル測定や発生源特定ができる.本法は,ヒトの体から出た試料(尿)を分析するので,真に曝露されたPAHの種類と量を正確に測定でき,生活様式や代謝能などの個人差も区別できる。


5
16:10〜16:40
再生医療への応用をめざした臓器特異的幹細胞の増幅培養法

金沢大学がん研究所細胞制御研究部門細胞分化研究分野 教授
高倉 伸幸
http://www.kanazawa-u.ac.jp/~ganken/gankenhomejp.html
 ■技術の概要

 心臓や脳をはじめ従来より再生が不可能とされてきた臓器においても、それぞれ臓器特異的な幹細胞が存在することが明らかとされ再生医療への応用に期待が持たれている。そこで本説明会では、これら種々の幹細胞を試験管内で増幅する培養技術および培養装置の開発に関する我々の研究を紹介する。

 ■技術の特徴
生体内で幹細胞が増殖する生態学的適所を模倣した培養技術を特徴とする。
カートリッジ内に装着された複数の中空糸内での幹細胞の増殖を特徴とする。
 ■想定される用途
臓器不全に陥った患者への幹細胞移植による再生医療。
幹細胞の自己複製をバイオイメージングして、幹細胞の分子制御を解明する基礎医学への応用
 ■従来技術との比較
 従来より開発されてきた、複数の成長因子の添加や、遺伝子導入あるいは幹細胞支持細胞と共培養することによる幹細胞増幅法では幹細胞よりやや分化した前駆細胞の増幅にとどまっている。それに比較して我々は真の幹細胞の増幅を目指しており、さらに遺伝子の改変は行わず腫瘍化の危険のない、さらに無血清培養液を用いてウイルスなどの感染のない安全に臨床応用可能な細胞の増幅を行う。


6
16:50〜17:20
腫瘍特異的抗原ペプチドおよびこれを用いた癌免疫療法

金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻 教授
金子 周一
 ■技術の概要
 9アミノ酸からなる腫瘍特異的抗原ペプチドを作製し、in vitro 及び in vivoでの抗腫瘍免疫効果、安全性を確認した。本ペプチドは単独で抗腫瘍ワクチンとして利用でき、また抗原提示細胞と組み合わせてより効果的な癌免疫療法に利用できる。現在これを用いた臨床試験が発明者によって開始されている。
 ■技術の特徴
 本腫瘍特異的抗原ペプチドは実際にがん患者において免疫を誘導できることが確認されており、ヒトに投与可能な作製方法が確立している。さらにヒトの主要組織適合抗原をもつ遺伝子改変マウスを用いて、ワクチンとして安全であること、その免疫誘導能力が十分であることが確認されている。
 ■想定される用途
抗腫瘍ワクチン(抗がん剤)
癌患者の予後判定検査
腫瘍の存在診断検査
腫瘍免疫の測定試薬(テトラマー等)の作製
 ■従来技術との比較
 これまでに報告されているペプチドは臨床応用できる癌の種類に制限があり、また日本人に多いHLA-A24には有用でないものが多い。本ペプチドは多くの癌に共通して発現している抗原由来であり、HLA-A24用に作製されているため日本人の癌に対して有用である。